Q. 4大税理士法人とはどの法人をさしますか?

A. DTT・E&Y・PwC・KPMGと提携する税理士法人をさします。
4大税理士法人とは

「モミジさんは、独立開業する前は、どこかの税理士法人にいたと聞きましたけど・・・」
「そうね」
「しかも大きなところだそうですね」
「私が働いてたのは、現在のビッグ4の1つの税理士法人よ」
「ビッグ4? そういえば、公認会計士の友人がビッグ4の1つにいますね」
「ああ、それは監査法人の方ね」

 そもそもビッグ4とは、4つの国際的大監査法人のことをさしています。

Big4(順不同)
・Deloitte Touche Tohmatsu(デロイト・トウシュ・トーマツ:DTT)
・Ernst & Young(アーンスト&ヤング:E&Y)
・PricewaterhouseCoopers(プライスウォーターハウスクーパース:PwC)
・KPMG

 そのメンバーファームとして、日本の監査法人や税理士法人が提携という形で参加しています。したがって、「○○監査法人の子法人が○○税理士法人である」という説明をときどき見かけますが、それは誤りです。

日本の監査のビッグ4(カッコ内は提携先)(順不同)
・有限責任監査法人トーマツ(DTT)
・新日本有限責任監査法人(E&Y)
・あらた監査法人(PwC)
・あずさ監査法人(KPMG)

 ワカバくんの友人が働いているのも、この監査法人の方のビッグ4です。

 これに対して、「4大税理士法人」と言った時には、次の4つの税理士法人をさしていると考えられます。

日本の税務のビッグ4(カッコ内は提携先)(順不同)
・税理士法人トーマツ(DTT)
・新日本アーンストアンドヤング税理士法人(E&Y)
・税理士法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)
・KPMG税理士法人(KPMG)

 税理士法人の方は対応関係が分かりやすいですね。

組織再編成と税理士法人の成長

 度重なる商法(現在の会社法)の改正や平成13年度税制改正の組再編成税制の創設により、企業再編成(特にM&A)がかなり柔軟に行えるようになったことを背景にして、税務業務の需要が急拡大しました。

 そして、翌年の平成14年4月から税理士法人が創設できるようになり、組織は拡大しやすくなりました。従来は現在の大手弁護士事務所のように、人の名前(共同経営者の名前)が連なっていましたが、現在は上記のようなグループ名が付されています。

 例えば、平成20年1月に行われた米シティによる日本初の三角株式交換も、税務アドバイザーに税理士法人トーマツと新日本アーンストアンドヤング税理士法人がそれぞれついていたようです(米シティのIR情報参照)。


どんな会社がメイン顧客なのか

「じゃあ、大企業とかに毎月訪問をしていたんですね」
「あら、私は外資系の子会社ばっかりで、メールと電話でほとんど済んでたわね」
「え? なんか違いますね」
「そうね。クライアントの方で、決算書まで作ってるから、申告書別表調整ばかりしてたわね。中小零細企業の場合は、申告書を作るというよりもむしろ決算書を作るほうが業務のウェイトとしては高い方が多いんだけど、規模がある程度大きくなると、利益を確定しないといけないし、企業会計の縛りもあるから、決算書の数字は動かせないと思った方がいいわね」

「あと、違いといえば私の部署とか、英語を使わないと仕事にならない部署もあるってことかしら」
「え、英語ですか・・・」

 税理士法人は当然ですが税務(TAX)をメインとした業務を行います。

 通常の会計事務所(中小税理士法人を含む)では、非上場の中小企業個人事業者を対象に税務サービスを提供するので、ビッグ4では、残った「上場企業・大企業」がメイン顧客になるような気もします。

 しかし、上場企業等は、自社内の経理部門が申告書の作成と申告・納税まで行っているので、会計事務所の出番はほとんどありません。そのため、「外資系企業の日本子会社」や「上場企業の子会社や系列会社」が主要な顧客となります。

 なお、M&A専門で申告書の作成はほとんどせず、プランニングとデューデリばかりしている方たちもいらっしゃいます。どういう部署があるかは4大税理士法人でカラーが出ています。

 上場企業・大企業などの本体の顧問税理士は、企業内税理士として採用された方たちや、国税OB税理士の先生の中でも高官だった方たちが多いようです。そう考えてみると、税理士も、ちゃんと棲(す)み分けされているのでしょうか・・・。
 
 さて、外資系企業の日本子会社もメインターゲットにしていることから、国際税務(海外取引に係る税務)も重要な要素となり、語学力も必要となります。英語が得意な方はさらに活躍の場も増えることでしょう。ある税理士法人では、幹部クラスになるには英語の検定試験でかなり高得点が必要など、出世にも影響しているようです。

 なお、外資系企業は、東京に日本子会社を作る関係からか、税理士法人トーマツを除けば、監査法人とは異なり東京で働くことがほとんどのようです。


お忙しいようで

「でも訪問もないなら、2月3月は繁忙期じゃないんでしょうか」
「あら、私の部署はこの時期、ほとんどタクシーで帰ってたわね」
「え。。。」
「懐かしいわねぇ。まあ、部署ごとで全然繁忙期は違ったけど、忙しいとかなまやさしいものではないわね」

 なお、中小企業は月次監査が当たり前ですが、外資系企業や上場企業の子会社を担当する場合は、決算書がすでにできあがっていて、大量の税務調整を行って申告書を作成するのがメインであるせいか、12月決算の延長先や個人の確定申告(もちろん、日本人だけとは限らず)、3月決算(連結決算や監査のために、前倒しになりやすい)が集中する2〜4月などは夜遅くまで働く方が多いようです。


就職するならどこがいいのか

「私がいたところは、上司がけっこう自由にさせてくれる人だったから、働きやすかったわね」
「そうなんですか。4大税理士法人って、それぞれカラーがあるんですか?」
「あるんだろうけど、私はそこしか知らないからなぁ。それに、監査法人の統廃合によって、TAXの方にもクライアントの流出入があったりするから、時期によっても変わるわね。4大税理士法人が今後もずっと同じような姿のままいられるとは思えないけど」

「なんか、遠い世界みたいですね…」
「まあ、どこで働くかは、飛び込んでみないとわからない面も多いかもしれないわね。ワカバくんがチャレンジしてみても面白いと思うけど」

 2ちゃんねるなどで4つの税理士法人を比較検討して、待遇などで序列をつけているスレッドをたまに見かけますが、どこもいろいろなご意見があるようで、この4法人のうちどこがいいのか、というのは、きわめて難しい問題のようです。

 また、同じ税理士法人に入ったとしても、どの部署に行くか、どのような働き方をするのか、あるいはどんな人たちの中で働くかによって、その印象は異なることでしょう。

 こればかりは、「縁」としか言いようがないかもしれません。

 ただ、高いレベルの税務を求めているのであれば、これ以上の環境はないのかもしれません。


 *関連記事*
監査法人・4大監査法人・4大税理士法人リンク集
税理士のキャリアプランと年収(給料)の話